更地でイラッとした話。
連休中はうれしいことに、お家へのお呼ばれが多く、
そのどれもが”初めて行く街”にあるということで
「勝手に旅気分」で遊びに行ってきました。
今日は、阿佐ヶ谷を訪れたときの話。
阿佐ヶ谷・高円寺・中野……
名前を聞いただけでも、質の高そうな(満足度的に)暮らしぶりが浮かぶそのエリアは
これまであまり訪れることがなかったので、「せっかくだし」と思い、
少し早めに家を出て一駅前の高円寺から歩いて行くことに。
街の雰囲気は思ったよりも庶民的で、
”よろずや”みたいな名前が似合うお店がいくつか。
それになんと!
驚いたことに『お尻パッド(※)』が置いてある衣料品店もあり、
「古き良きお店や住民と若い家族の新生活、そのコントラストが気持ち良い街だなあ」と、そんな良い気分で歩く、歩く、歩く。
( ※『お尻パッド』とは
韓国の地下商店街で見かけて衝撃を受けたグッズの一つ。中高年以上の女性が使うとみられる矯正下着の一種で、何より見た目のパンチが効いている。沖縄とかで豚の顔の皮を見かけてびっくりする要領で、店先に掛けてあるとまるっきりお尻のようでびっくりする代物。中央区や港区で目にする機会はほぼなく、庶民ぽさを醸し出す効果もある。)
あとちょっとで目的地到着、というところで出会ったとある更地で、
私は猛烈にイラッとしたのだった。
住みやすい街と言われるだけあって、辺りは住宅がびっしり。
そのため更地というだけでかなり異質なのだけれど
私がイラっとした理由は、
その更地に置かれたパイプ椅子に座り込み、うなだれている若いお兄さんだった。
連日の暑さで、日差しも強いのに!
パラソルもなく、ただただうつむいている彼。
彼とパイプ椅子が、あまりにも”ポツン”と置かれているので、
「置き去りにされたのかな?」と心配になるくらい。
不動産会社の社員であろう彼は、
連休は掻き入れどきだぞ!とかなんとか言われて
駅からも少し距離のある、たいして人も通らないこの更地で
暑さにひたすらうなだれている、んだろう。
なんていうことだ。
こんな非効率的、不条理、非人道的な仕事ありますか。
何より違和感を持ったのは、「暑さにじっと耐えた」ことが評価されるのであろう、
その精神論・根性論みたいなところで。
わたしは、「首の後ろの日焼け」を『勲章』としてはいけないと思うわけです。
暑いからといってサボったり成績が下がるようでは考えものだけど、
かといって暑さにうなだれたまま下を向いていても仕方ない。
現にわたしにすら気づいてないし!笑
会社云々の前に、お兄さんもうちょい頑張れ!
どうせなら気持ち良く働こうよ、と。
会社・組織と自分との”オチどころ”って決してひとつじゃないはずだから、
いろんなパターンを作っておくことは悪いことじゃないと思うんだけどな。
とまあ。
そんなこんなでほんの20メートルくらいの距離で猛烈に怒っていたら
更地に止めてあったバンから出てきた上司と思しき人が
私の顔をちらっと見てすぐ目を逸らしてしまった。
よっぽど怖い顔していたんだな……わたしってば//
あ、阿佐ヶ谷はとってもいい街だったんです。
住みたいなあ、お金ないなあ。
楽しいお呼ばれの末、わたしの心に残ったのは
「そろそろ料理の一つでもできないとな……」という
妙齢女子としての危機感なのでした。
今日の一曲
베스트 앨범은 사지 않아/가을방학
『ベストアルバムは買わない』というタイトルの曲。
いいものだけを集めた「良かれ」という思いが、
逆につまらなくさせてしまうこともある。
そんな、なるほど、な曲。